米食品医薬品局（FDA）は5月24日、スイス医薬品大手ノバルティスの米子会社による脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」の販売を承認しました。
アメリカでの価格は212万5千ドル（約2億3200万円）と発表され、投与は１回で済みますが、アメリカのメディアは「世界一高い薬」と報じました。
厚生労働省には画期的な新薬を短期間で承認する制度があり、 この薬は日本でも、 その対象として優先審査中とのことです。年内にも承認される可能性があり、薬価が注目されます。
国内の高額薬は今月、白血病などの新薬「キムリア」の価格が3349万円に決まり、話題となりました。
脊髄性筋萎縮症は特定の遺伝子の機能が欠け、主に生後６カ月ごろまでに筋肉の萎縮や呼吸困難を発症する希少疾患です。患者の多くが２歳になる前に亡くなるか、人工呼吸器を生涯、装着する必要があるとされており、日本では難病に指定されています。
「ゾルゲンスマ」はウイルスを利用して静脈注射で患者に正常な遺伝子を導入するもんで、FDAは2歳未満への使用を承認しました。
ノバルティス側は、既存の薬を10年間使う場合に比べ費用は半減するとしています。